NoelHatchのアート作品が纏う、唯一無二の静謐。それは、ただ形作られたセメントの塊ではありません。選び抜かれた素材、研ぎ澄まされた感性、そして熟練の職人技が幾重にも織りなす、深遠なる創造の軌跡の結晶です。今回は、私たちの作品がどのようにしてこの世に生を受けるのか、その一端をご紹介しましょう。
第一章:土の声に耳を傾ける — 素材の選定と配合

NoelHatchの作品の真髄は、その源流にあります。私たちが「セメント」と呼ぶその素材は、単なる工業製品ではありません。世界各地から厳選された鉱物、粘土、石灰石、砂、そして水。これら自然の恵みが織りなす無限の可能性を、私たちは深く探求します。
まず、作品のコンセプトに応じて最適な骨材を選びます。時には、微細な砂粒が秘める光の反射を求め、またある時には、粗い骨材がもたらす力強いテクスチャを追求します。それぞれの素材が持つ「声」に耳を傾け、その個性を最大限に引き出す配合を導き出すのです。
この配合こそが、作品に比類なき強度と、触れる者の五感を刺激する独特の表情を与える鍵となります。セメントと水が理想的な比率で混ざり合い、なめらかなペーストへと変貌する瞬間は、まるで生命が吹き込まれるかのようです。それは、私たちが作品に込める、未来への確かな予感でもあります。
第二章:形なきものに命を宿す — 繊細なる造形と研磨

調合されたセメントは、次に型へと注ぎ込まれます。この工程は、まるで瞑想の時間です。セメントの流動性、重力との対話、そして硬化の兆候を肌で感じ取りながら、一瞬の迷いもなく、しかし細心の注意を払って型へと導きます。型は、作品の最終的なフォルムを決定づける「骨格」。ミリ単位の誤差も許されぬ精密さが求められます。
そして、硬化。セメントが静かにその形を定め、新たな存在として生まれ変わるのを待ちます。この時間は、私たち作り手にとっても、期待と緊張が入り混じる神聖なものです。
型から解き放たれた作品は、まだ粗削りな状態です。ここから、熟練の職人による繊細な研磨の工程が始まります。様々な番手の研磨材を使い分け、表面に潜む微細な気泡や凹凸を丹念に取り除いていきます。この作業は、作品の奥底に秘められた輝きを引き出し、なめらかな手触り、そして光を吸い込むような独特の質感を創り出すための、まさに「魂を磨く」工程です。
指先に伝わるわずかな凹凸さえも許さず、作品が持つ本来の美しさが姿を現すまで、この研磨は続きます。一点一点、異なる表情を持つ作品と向き合い、その個性を最大限に引き出す。それは時間を忘れさせるほどの、至福の作業です。
第三章:静謐が宿る場所 — 仕上げと呼吸

研磨を終えた作品は厳選されたコーティングを施すことで、その寿命を延ばし、外部環境の影響から守られます。この最終工程は、作品が持つ静謐な美しさを永く保ち、鑑賞者のもとでその輝きを放ち続けるための大切な儀式です。
NoelHatchのセメントアートは、こうして完成します。それは単なる装飾品ではありません。自然の素材と職人の手技が織りなす、生命力あふれる存在です。空間に置かれた時、光を受け、影を落とし、まるで静かに呼吸をしているかのように、その場に確かな「間」と「奥行き」をもたらします。
私たちの作品が、あなたの日常に研ぎ澄まされた静寂と、豊かなインスピレーションを添えることを願ってやみません。